政治学をどのように学べばいいのか~はじめて政治学を学ぶ人へ~

政治学に興味・関心があるから学びたい!!だけど「何をすればいいのかわからない?」そんな疑問を抱いている人は多いのではないでしょうか。

大学に進学して政治学の講義を受けなくても、政治学について学ぶことはできます。

この記事は、政治学を学びたい高校生、大学、社会人のみなさんにを対象に「政治学をどのように学べばいいのか」わかりやすく説明していきます!!

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政治学を学ぶとは

政治とは
「社会に住んでいる人たちが、どのようにすれば安定した社会で生活することができるのかを考え、社会制度を決め実行する」こと

もっと簡単に言えば「社会で生活するルールがないとみんな勝手に行動しちゃうよね~。だからルールを決めて社会で生活しやすいようにいろいろ考えよう。考えたのだから実施にルールを実行してみよう」と言うことです。

政治学を学ぶとは

「どのようにすれば、安定した社会で生活することができるのか、どのような考え方があるのか」、政治の歴史(政治史)、政治思想、公共政策、制度、理論などから体系的に学びます。

ここで言う「体系的に学ぶ」とは、政治の歴史(政治史)、政治思想、公共政策、制度、理論など、多角的視点(いろいろな視点)から政治について学ぶと言うことです。

どうでしょうか?

 

「政治学を学ぶとは」どういうことなのか、理解できたと思いますので、次に政治学の全体像について学びましょう。

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政治学の全体像を知ろう

政治学をどのように学べばいいか知る前に、まずは政治学の全体像について知っておきましょう。

全体像を知ることで、政治学をどのように学んでいくのかイメージできると思います。

上の表を見て欲しいのですが、政治学の中にはさまざまな分野があります。画像に書かれている分野ごくごく一部です。

これからみなさんが政治学の概要について学んでいくと、自分自身が政治学のどこに興味があるのか気づくはずです。

例えば、「政治学」について学び→政治の歴史に興味を持ち「政治史」について学ぶ→「政治史」について学んでいたらヨーロッパの政治に興味を持ち「ヨーロッパ政治史」をもっと学びたい!!となります。

今は1つ1つの政治学の分野について知る必要はありません。政治学の中には「さまざまな分野があるんだな~」という認識で大丈夫ですよ。

 

政治学を学んでいくと、必然的に自分が政治学のどの分野に興味関心があるのか気づきます!!

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※日本政治学会で専門分野一覧が掲載されているので、気なる人は見てみてください。

日本政治学会専門分野一覧サイト

政治学を学ぶために必要な知識

歴史や公民が得意な人はこの章はとばして、次の「政治学を学ぶ方法」に進んでください。

政治学を学ぶためには、どうしても高校程度の「歴史」と「現代社会」の知識が必要になります。

高校のテストのように、すべてを暗記する必要はないのですが、用語がでたときに「ほ~ほ~だいたい知ってる」程度の知識が必要になります。

「歴史」や「現代社会」の知識がなくても学ぶことはできるのですが、政治学を学んでいるときに「政治学」を学びながら「歴史」「現代社会」について学ぶことになるため、政治学の入門書を読み進めるのに苦労するかもしれません。

例えば国際政治学の入門書では

「ウェストファリア条約で主権国家の概念が誕生し、ローマ法王の宗教的束縛の支配から国家利益に依拠するようになった。」

という文章がよく書かれています。

 

この文章を理解するためには、

  • ウェストファリア条約→世界史
  • 主権国家→公民(現代社会)
  • ローマ法王の宗教的束縛→世界史

の知識が必要になります。

国際政治学の入門書なので、ウェストファリア条約や主権国家について説明はされています。しかし、それはあくまで政治学の視点からウェストファリア条約と主権国家について説明したものになります。

政治学や国際政治学の入門書では、高校までに学んだ歴史を知っていることを前提に書かれていることが多いです。

なぜなら、国際政治学の入門書で、高校で学ぶ内容の歴史まで詳しく説明すると、ものすごい文章量になってしまうからです。

そのため「歴史」「現代社会」についての知識が一定以上あると政治学の入門書が読みやすくなります。

大学で高校の歴史の復習をする時代

日本は少子化にもかかわらず大学の数が多いため、お金さえあれば誰でも大学にいける時代になりました。

 

大学は高校生に来てもらうために、さまざまな入試制度を導入しています。

 

その結果、大学に入学した学生の歴史に対する知識があまりにも少なく、大学は対策として、大学1年生に対して高校までの日本史や世界史を復習する講義を設けています。

 

これは政治学部だけではなく、経済学部や社会学部など文系の学部全般で行われています。

要するに、大学側からすると政治学や経済学などの文系の学部で学ぶためには、歴史の知識が必要なため高校の日本史や世界史の復習をさせています。

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政治学を学ぶために世界史、日本史、現代社会をどのように学べばいいのか

学校の授業で使っていた日本史(明治以降)・世界史・現代社会の教科書あれば、教科書で学ぶのが一番おすすめです

教科書を読んでも面白くないかもしれませんが、適度な文章量でよくまとまっています

教科書が手元にない人や教科書で学ぶのは苦手という人には以下の本を紹介します。

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山川出版社から出版されている『詳説世界史研究』と『詳説日本史研究』を紹介したいと思います。

『詳説世界史研究』575ページ、『詳説日本史研究』566ページとかなりのボリュームがあります。

なぜページ数が多い本を紹介したかと言いますと、1人で学ぶ場合はなかなか人に教えてもらうことができず、自分自身で本を読んで理解しなくてはいけません。

詳しく説明されていない本だど、理解できないこともあると思います。ページ数は多いけれどもできるだけ詳しくわかりやすい本を選択しました。

重要な単語は太文字で書いていますので、意識して覚えてみてください。

政治学を学ぶために歴史を学ぶので、学校のテストのように暗記する必要はありません。歴史の大まかな流れをつかみましょう。

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すべて読むのがベストですが、政治学との関係性が深い章は、世界史は1章、6章、9~17章を、日本史は明治以降になります。

世界史や日本史の本を読む時間はないけど復習したい人には、通学や通勤時間などで両手が塞がっていても学べるAmazonオーディブルを紹介します。

Amazonオーディオは、プロのナレーターが朗読した本を聞くことができ、山川の『詳説世界史』と『詳説日本史』を聞くことができます。

30日間は無料で聞くことができるので、もし興味がある人は試してみてください。

私が大学受験するときに、聞いて学べるコンテンツがあれば、もっと楽しく学べたのに・・・

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現代社会も山川出版社から出版されている『現代社会 改訂版』を紹介したいと思います。

「また山川かよ~」と思う人がいると思うのですが、まとまっていて読みやすいんです。難しい言葉をなるべく使わずに簡潔に書かれています。

政治学との関係性が深い章は、第2部2章~4章ですが、できれば第2部1章の内容は政治学ではないのですが、政治哲学や政治思想で学ぶプラトンやアリストテレスについて書かれているので、時間に余裕がある人は読んでみてください。

ここからが本題ですね!!はじめて学ぶ政治学の方法について紹介していきます。

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政治学を学ぶ方法

いくつかの大学では、政治学講座を無料で公開していますが、大学で履修する前期後期合わせて30回の講義を無料で公開していません。

そのため、政治学の重要テーマについてすべて学ぶことができないため、必然的に政治学の本で学ぶことになります。

まず最初に政治学の重要なテーマ(政治学の軸となるいくつかのテーマ)、「国家」「権力」「福祉国家」「議会制、大統領制」「選挙制度」「官僚制」「公共政策」「政党」「投票」「民主主義」「政治心理」「イデオロギー」「政治思想」「政治理論」について学びましょう。

冒頭で政治学は、「どのようにすれば安定した社会で生活することができるようになるのか、どのような考えがあるのか」について、政治の歴史(政治史)、政治思想、公共政策、制度、理論などから体系的に学ぶと説明しましたよね。

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これらの重要テーマは、政治学を体系的に学ぶためには最低限必要なテーマとなります。

「ではどの本で学べばいいの?」という話になります。

政治学を学ぶための入門書は、大学の先生=学者が著者であることが多いです。

同じ政治学の入門書として書かれているのですが、政治学の重要なテーマをどれだけ取り扱うのか、1つのテーマをどこまで深堀して読み手に伝えるのかは著者により異なります。また、読み手にわかりやすいように用語解説をどれだけするのかも筆者により異なります。

そのため、はじめて政治学を学ぶ場合は「できるだけ読みやすく、1つのテーマを極端に深堀していない本」を選ぶこと重要になってきます。

あまりにも詳しく説明しずぎて情報量が多くなり、読み進められないから「政治学が嫌い!!」とはなって欲しくないです!!

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ではどのような本で学べばいいのか紹介しますのでよければ参考にしてください。

『アカデミックナビ 政治学』

出典:https://amzn.to/2XFK6SR

勁草書房から出版されている『アカデミック 政治学』は、9章403ページで構成されている政治学をはじめて学ぶ人に向けた本です。

第Ⅰ部 政治学を考える
第1章 政治の境界─どこまでが政治なのか─
第2章 政治の場─政治はどこにあるのか─
第3章 政治の制度─どこにどのような仕組みがあるのか─
第4章 政治の登場人物─誰が「アクター」なのか─

第Ⅱ部 政治学で考える
第5章 民主主義
第6章 福祉国家
第7章 経済
第8章 ジェンダー
第9章 文化

冒頭の「はじめに」に書かれていますが、この本は大学の講義名「政治学原論」「政治学概論」「政治学(入門)」といった、大学1年生で学ぶ講義での使用を念頭に置いて書かれています。

講義での使用を念頭にしている本のため、ただ1つ1つの政治学の重要テーマを説明しているだけではなく、章と章との結びつきが強く、実際に読むと政治学入門の講義を聞いていように感じることができます。

各章のコラムも、読み手が疑問に思う内容について書かれていますし、専門用語についての説明も非常に多く、できるだけ簡潔にわかりやすく書かれているので非常に読みやすいです。

また、政治学の重要テーマだけを説明しているのではなく、「政治学とはどのようなものなのか」について言及しているた、政治学の本質についても学ぶことができます。

「はじめて政治学を学ぶのですが、どの本を読めばいいのですが?」と聞かれたら、この本をおすすめします!!

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『政治学』

出典:https://amzn.to/3gipSoD

東京大学出版会から出版されている『政治学』は、11章250ページで構成されています。

さきほど紹介した『アカデミック 政治学』が出版されるまでは、こちらの本を政治学をはじめて学ぶ人におすすめしていました。

第1章 民主政治の起源
第2章 民主政治の変容
第3章 福祉と政治
第4章 民主政治のさまざまな仕組み
第5章 選挙
第6章 議会と政党
第7章 政策過程と官僚・利益集団
第8章 世論とマスメディア
第9章 地方自治
第10章 グローバル化
第11章 民主政治の現在

この本は、250ページという少ないページ数で政治学の重要テーマをカバーしている、よくまとまっている本です。

ではなぜ、この本を一番におすすめしないかと言いますと、さきほど紹介した『アカデミック 政治学』と比較するとテキスト色が強いためです。

政治の重要テーマを1つ説明して次の章、1つ説明して次の章と、本を読んでいて講義を聞いているような流れを感じることができません。

あくまで私の意見ですが、はじめて学ぶ場合は章と章の結びつきが強く、本を読んでいてい講義を聞いているかのような文章の方が、知識が頭に残りやすいと思います。

 

そのため『アカデミック 政治学』を一番におすすめしました。

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しかし、できるだけテキストのように簡潔にまとまっている本が好みの人は、こちらの本を選択したほうが読みやすいと思います。

また、公務員試験や大学での政治学の学期末テストでは、政治学の本質よりも政治学の重要テーマについて、どれだけ覚えているかが重要になります。そのためテスト対策本としては、『アカデミック 政治学』よりも『政治学』の方が適していると思います。

国際政治学もセットで学ぼう

政治学について学び終わってから、もしくは政治学を学ぶのと同時並行して「国際政治学を」セットで学ぼう!!

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これには理由があります。

政治学とは、「どのようにすれば安定した社会で生活することができるようになるのか、どのような考えがあるのか」について、政治の歴史(政治史)、政治思想、公共政策、制度、理論などから体系的に学ぶと冒頭で説明しましよね。

これはあくまで、社会で生活している「人」が主体となっています。

それに対して、国際政治学は「国」が主体となり、国同士の関係性について学びます。

グローバル化した今日において、政治学を学んだだけでは、説明や理解ができない問題がたくさんあります。

例えば、安全保障・同盟、国際秩序、国際機構、国際法などです。

大学で政治学部や政治学科専攻している1年生の講義では、必ず「政治学」「国際政治学もしくは国際関係論」が必修科目になっていることが多いです。

これは政治学をこれから学ぶための基礎固めとして「国際政治学もしくは国際関係論」が必要であると考えているためです。

実際に私も「政治学1年のとき」「国際関係論1年のとき 国際政治学2年のとき」講義を受けましたが、国際政治学や国際関係論を学んだことで、いま世界でおきている問題や国内での問題を国際政治学の視点で考察することができ、より政治を多角的視点から考察できるようになりました。

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そのためできれば、政治学について学び終わってから、もしくは政治学を学ぶのと同時並行して、国際政治学をセットで学ぶことをおすすめします。

国際政治学を学ぶ必要があるなと感じた人は、「国際政治学のすすめ入門書を5冊」という記事を書いていますので、よければご覧になってください。

本気で学ぶ国際政治学のおすすめ入門書5冊を紹介

まとめ

  • 政治学を学ぶとは、「どのようにすれば、安定した社会で生活することができるのか、どのような考え方があるのか」、政治の歴史(政治史)、政治思想、公共政策、制度、理論などから体系的に学ぶこと
  • 政治学を学んでいるときに、内容を理解することができない、情報量が多すぎて前に進めないときは、高校の「日本史」「世界史」「現代社会」の復習をしてみよう
  • 政治学の入門書を読んで、政治学の重要テーマについて学び知識を増やそう
  • 「国際政治学」もセットで学び、より政治を多角的視点から考察できるようになろう

この記事は、政治学を学びたい高校生、大学、社会人のみなさんにを対象に「政治学をどのように学べばいいのか」わかりやすく説明しました。

政治学の宝庫では、「政治学をどのように学べばいいのか」以外にも、政治学についての解説などをしていますので、興味のある方は、ぜひとも他の記事もご覧ください。