ゲーム理論でもっとも有名な「チキンゲーム」について、表を使いながら解りやすく説明します!!
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チキンゲームとは
文章だけの説明だと分りにくいと思うので、次の項目で表を用いて具体的に説明します。
チキンゲーム(具体例)
※左下がプレーヤーAの利得で、右上がプレーヤーBの利得を示している
プレーヤーAとBが、車で正面からぶつかり合う状況を考えましょう。
- 車が大破し、車の中に乗っているプレーヤーは死んでしまう(共に負け)
- 車が大破し、車の中に乗っているプレーヤーは大ケガをする(負け)
- 車は大破せず、車の中に乗っているプレーヤーはケガをしない(引き分け)
- 車は大破せず、相手の車を大破することができ、相手プレーヤーにケガを負わすことができる(勝ち)
プレーヤーAが直進、プレーヤーBが回避の場合
プレイヤーAは直進して、プレーヤーBが回避した場合は、プレイヤーAの「4」車は大破せず、プレイヤーBの車を大破することができ、相手プレーヤーにケガを負わすことができ勝ちになる。
プレーヤーBは、「2」ぶつかるギリギリで回避したため車が大破し、車の中に乗っているプレーヤーは大ケガをし、弱虫のレッテルが貼られる。(負け)
プレーヤーBが直進、プレーヤーAが回避の場合
今度は先ほどと逆になります。プレイヤーBは直進して、プレーヤーAが回避した場合は、プレイヤーBの「4」車は大破せず、プレイヤーAの車を大破することができ、相手プレーヤーにケガを負わすことができ勝ちになる。
プレーヤーAは、「2」ぶつかるギリギリで回避したために車が大破し、車の中に乗っているプレーヤーは大ケガをし、弱虫のレッテルを貼られる。(負け)
プレーヤーA、Bか共に直進の場合
プレイヤーA、Bが直進した場合は、正面衝突で「1」お互いの車が大破し、車の中に乗っているプレーヤーは死んでしまう。(共に負け)
プレイヤーA、Bが共に回避の場合
プレーヤーA、Bが共に回避した場合は、お互いに「3」車は大破せず、車の中に乗っているプレーヤーはケガをしない。(引き分け)
まとめ
プレーヤーAとプレーヤーBにとって「4」相手の車を大破することができ、相手プレーヤーにケガを負わすことで、勝つことができます。
しかし、もし相手が回避せずに直進した場合は、「1」車が大破し、車の中に乗っているお互いのプレーヤーは死んでしまい、プレイヤーAもBも共に負けてしまいます。
そのため、プレーヤーAとプレーヤーBにとって、「3」お互い回避して車は大破せず、車の中に乗っているプレーヤーはケガをしない(引き分け)が最善の結果となります。
国際政治学や経済学においての「チキン・ゲーム」
国際政治学や経済学では、お互いが「3」回避という結果になるためには、どうすればいいか研究がおこなわれています。
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例えば、最初からお互いが「もし裏切ったら相手を攻撃する」と宣言した場合、相手は最悪の結果「1」になることを恐れて攻撃しなくなります。
それにより、お互いが攻撃を回避する「3」の状態が最も安全な状態であることに気づき、互いに攻撃しないようになります。
これが抑止理論で、「核抑止論」などに用いられます!!
実際に、冷戦時代のアメリカとソ連が互いに、核ミサイルを保有していたけど、最悪のことを想定して攻撃できない、それで平和が保たれました。
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ゲーム理論をさらに学びたい人に、おすすめしたい本が、『ゲーム理論入門の入門』です。
囚人のジレンマやナッシュの均衡など、大学1、2年生で学ぶゲーム理論が多く取り上げられています。
タイトルにも書かれていますが、入門の入門ということで、数式をなるべく使わずに文章で説明しています。
ゲール理論の基本は抑えることができますので、興味がある人は一度読んでみてください。